【ラウンド】砲台グリーンエッジで戻ってくる

ラウンド

アマチュアゴルフは一喜一憂が楽しいもの

7番ホールはショートホール。ここはグリーンが小さく乗せることは難しい。案に違わずティーショットはグリーン左に外れて2打目を打つところなのである。グリーンの形状は砲台グリーンでラフからエッジにかけて急激に登っている。最低限グリーン上に止める必要があるのだが、弱いと登り切らず戻ってきてしまうし、強いとグリーンが小さいため反対側へ転がり落ちてしまう。危険な香りが漂う厄介なシチュエーションと言って良いであろう。ライは冬場の枯れたペタペタのライである。クラブはウェッジかパターかの選択となるところかと思うのだが、ウェッジではざっくりやトップの危険がある。パターで打つには若干グリーンエッジまで距離がある。非常に悩ましいし場面である。

ここは強い気持ちでウェッジでのアプローチに決断する。あまりボールを上げると冬場の凍ったグリーンは弾んでしまうため、できるだけ低く打ち出し転がす必要がある。ざっくりやトップを避けることを意識し、少しだけヘッドのヒール部分が浮くように構える。これによりフェースの抜けを良くし、強く打ち出してもボールが死んで飛ばないようになることを期待して、アプローチショットを打ったのであった。ボールはラフとグリーンエッジでバウンドし、あわやグリーンに乗るかと思いきや微妙に前への転がりが足りず、無常にもエッジを転がり戻り、今まさにショットした足元に再び降臨なされた。同伴メンバーの同情の念がひしひしと伝わってくる。

最高に上手く打てたアプローチであったのだがこの結果なのである。これ以上のアプローチは今の自分の腕前では望めない。自分の技量不足は素直に認めるしかない。しからばパターへと切り替えるのである。噂で聞くところによるとパターでのアプローチをPGAツアープロの間では《テキサスウェッジ》などとカッコ良い呼び方もされているようなのでツアープロの気分を味わう事にする。ペタペタのラフと急激な上りで距離感が難しいが、カップの1メートル奥に仮想のカップを想定し、そのカップにジャストタッチで入れる積もりでパッティングをする。ところがこれまたあわやグリーンに乗るかと思いきや微妙に前への転がりが足りず、再度エッジを転がり戻り、またもや足元に降臨なさるのであった。一体何度降臨すれば気が済むのか、このボールは。

今自分の奥底に沸き起こるこの心持ちはなんであろう。怒りであろうか、悲しみであろうか、悔しさであろうか、羞恥であろうか、はたまた自分の不運への嘆きであろうか。もしかすると、朝食がてらコンビニで鮭おにぎりを買っているときに、ふとレジ横の肉まんにも触手が動いてしまったのだが、その食べ合わせが悪かったのかも、などくだらいない事を考えている場合ではない。そこで、一旦他の同伴メンバーに先にアプローチをお願いし、心を落ち着け善後策を検討する。もうワンパットは諦めて、4打目で乗せて2パットのトリプルボギーで上がることを目標にする。この目標であれば、攻め方は簡単である。オシャレな《テキサスウェッジ》で、カップの大きく左側、つまりグリーン奥の広いスペースに力強く打ち出し、グリーンにオンさせ、2パットでホールアウトを目指せばよいのである。

そして結果は想定通りトリプルでホールアウトできたのであった。最初からこの方針で攻めていればと思う一方、大叩きはしてしまったが、難しい状況でも果敢にカップを攻めて大叩きするのがアマチュアゴルファーのアマチュアゴルファーたる所以であり、この一喜一憂がアマチュアゴルフの楽しいところなのであろう思うのであった。

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