ゴルフというものは、言うなれば、確率をマネージする競技なのである。いかにリスクを避け、ミスを最小限に抑えるかを競うゲームなのである。
6番ホールはなだらかに打ち下ろしている短いPAR4であった。グリーン手前には池が配置されていてるため、ティーショットは池手前に上手くレイアップする必要がある。間違ってもナイスショットで池に捕まるような愚は避けたいところである。自分の実力は分かっている。ドライバーがナイスショットする確率は、漠然とした印象では1ラウンドで1回はあるように思いたいのだが、冷静に振り返ると2〜3ラウンドで1回程度であることは認識している。したがて、ここでドライバーを握ったところで、池に捕まる可能性は限りなく0に近い。しかし、同伴競技者を見渡してみると、皆アイアンやUTを握っている。
皆がアイアンやUTを握っているティーイングエリアで、自分だけドライバーを持ち出すのは気がひけるのはなぜだろうか。なぜか心の中で「確率は低いとは言え、間違ってナイスショットで池に捕まるリスクは回避する必要があるのだ!」などと言い訳をしながら、私もしっかりアイアンに握り変えるのである。くだらないプライドだと笑いたければ笑えば良い。ゴルフは確率をマネージする競技なので、池に入れなければ良いのである。
皆がナイスショットを繰り出した後、私の打順である。私のアイアンのティーショットは想定以上に距離がでず、落下地点は左足下がりの傾斜で止まってしまった。つまり、セカンドショットは、グリーンまで100ヤード以上の距離があり、池越えの打ち下ろし、左足下がりのショットを残しているのである。ドライバーやFWを使っていれば、もう少し平な場所からセカンドショットが打てたのにと後悔しそうになる気持ちを必死に抑えてセカンド地点に向かうのである。
このセカンドショットでも、もちろん池に捕まりたくはない。しかし池手前にレイアップは考えられない。また、グリーンを狙うと、打ち下ろし左足下がりであるため、グリーンオーバーも警戒する必要がある。この場面では、カップの位置などは気にせず、グリーンセンターを狙うのが定石であろう。池を超えるだけであれば70ヤード打てば良い。クラブは58度、52度、PWからの選択になるが、58度だとテイクバックが大きくなるので、ダフりやすい。PWではグリーンオーバのリスクが高くなる。消去法で52度のスリークォーターショットを選択する。
この難しいセカンドショットの結果は、ダフって真っ直ぐに池に吸い込まれてしまうという結果となってしまった。ティーショットから池を意識し、池を避けるための検討を繰り返しても、最終的には池に入れてしまう愚を犯す結果なのである。ゴルフは確率をマネージする競技なのであることから考えると、私の場合は、ティーショットで池に入れるリスクより、セカンドショットで左足下がりのリスクを警戒するのが正解なのである。「次回はアイアンではなくFWでティーショットをするのが良いということを学習した有意義なラウンドであった」と前向き受け止めようとしているが、やっぱり、セカンド池ポチャはかなり悔しい。
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