【ラウンド】左足下がり

ラウンド

選択肢が与えられていない自由

グリーン奥の斜面にボールが止り、きつい左足下がりの状態でアプローチするはめになるのは素人ゴルファーには良くある状況ではなかろうか。斜面に止まっているということは、ラフが深いということと同意でもあり、傾斜とラフによる2重苦の難しい状況であることは間違いない。ゴルフは手前からの格言に従ってクラブ選択していたにもかかわらず、思いがけずトップして、グリーン奥まで飛んでしまった結果がこれである。トップしたことを悔やんでいる場合ではないのでだ。一般にグリーン奥からは下り傾斜になることが多く、今回もご多忙に漏れずアプローチでグリーンに直接落としてしまうと、カップから永遠に遠ざかっていくことは火を見るよりも明らかな状態であった。

私の場合、きつい左足下がりのライからのアプローチの技は1種類しか持っていない。つまり、この状況でのアプローチの打ち方の選択肢は与えられていないのである。その唯一の左足下がりのアプローチは、
「できる限り右足を後ろに引いてクローズスタンスで立ち、左足1本にほぼ体重を乗せる。ボールはなるべく右側の位置に置く。バックスイングは傾斜に沿ってゆっくり上げて、トップの位置で両腕と手首の力を抜いて、腕とクラブが重力に任せて斜面に並行に落ちていくのを頭を残して見守るだけである。手首の力も抜いているので若干腕が先行し、クラブヘッドは少し遅れて落ちていく」
感じである。

この1択のアプローチを平素実行しているからかもしれないが、思いの外うまく行くのである。今回もうまくカラーに落下し、ゆっくりとカップに近づいていく。そしてなんとカップイン。チップインのおまけ付きであった。「ナイスバーディー!」と言いたいところだが、「ボギー」であったことはご愛敬である。

どこかの社会行動学者が宣われていたように思うが、選択肢がありすぎるのも不自由なのだそうだ。だとすると、選択肢のない私はきっと自由な幸せ者なのであろう。

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