スルーザグリーン6 インチプレースを推奨
例えば、グリーン上ではカップまでワングリップ程度の場所にボールがあれば、同伴メンバーから「OK」の声かけがあり、その場合はそこからワンパットでカップインしたとみなして、パッティングせずにボールをピックアップすることができるのである。大変便利なローカルルールなので各ホールで利用させていただいている。その他にも1ペナエリアの設置、OB時の前進4打、ティーイングエリアの選択、ペナルティ時の処置など本来は厳密にルール化されている処置も大まかな対応を許容するなど、色々とローカルルールや習慣がアマチュアゴルフには浸透している。それらのメリットを大いに享受して楽しむのがアマチュアゴルフなのである。また、これらのローカルルールや習慣は、プレー時間を短縮し、後続組を待たせないための配慮であるとも言えよう。つまり、ゴルファーにとっても、ゴルフ場にとってもWin-Win の仕組みであるため広く浸透しているのである。
ところで「スルーザグリーン6 インチプレース」というローカルルールをご存知であろうか。簡単に言うとフェアウェイやラフにボールがある場合、無罰でホールに近づかない6インチ(15.24cm)以内にボールをそっと移動させて置く(プレースする)ことができるというローカルルールである。例えば、ディボットにボールが入ってしまった場合に無罰でディボットから脱出できるので有り難いルールなのである。ディボットから無理してショットして、余計な打数を重ねてることも避けられるのでプレー時間短縮にもなる。このように大変有効なローカルルールでありながら、悲しいかな一般に認知・活用されるまでには浸透していないのが現状ではなかろうか。
一般に浸透しない理由は想像しやすい。ゴルフ は「あるがままの状態でプレー」が基本スタンスであるため、ボールを意図的に移動させることに心理的な抵抗があるのである。また、無罰というのも罪悪感を生むかもしれない。例えばパッティングでのワングリップOKの場合は、1パットでカップインした態となるため、1パット分の1打は付加されるので抵抗がないかもしれない。ただ考えてみて欲しい、ディボットに捕まる状況は、自身の実力とは無関係で単に運が悪かっただけであり、そのディポット自体は他のプレーヤーにより作られたいわば人工的障害物なのである。ならば6インチプレースのような何らかの救済措置があって然るべきではなかろうか。
プロの試合や、アマチュアでも競技ゴルフであれば事前にローカルルールの確認は実施されるため、6インチプレースが採用されていれば罪悪感などは無縁であろう。一方アマチュアのラウンドでは事前に細かいルール確認などはしないので、一般に浸透していないと言い出すのが難しいものなのである。
真面目にゴルフに取り組んでいる人ほど6インチプレースには否定的かもしれない。そこで、お気軽ラウンドを楽しんでいるゴルファーを助けると思って、誰か影響力のある人が「スルーザグリーン6 インチプレース」一般化の推進に一役買って頂けないだろうか。もちろん移動させるかどうかはプレーヤーの判断であるため、競技思考のプレーヤーであれば移動させず「あるがままの状態でプレー」でプレーしていただいて一向にかまわない。ワングリップOKと言われてもパットしてカップインするのと同じなので誰も文句を言う人はいないのである。なので否定派の人も、他人が「スルーザグリーン6 インチプレース」推進することを肝要に受け止めて頂ける事を切に願うのである。
前組のグリーン上のプレーが終わるのを待ちながら、この足元のディボット内に綺麗に鎮座なされているボールを見ていると「動かしてしまえ」という悪魔の声が鳴り止まないのである。
【補足】
2019年のルール改定により、スルーザグリーンはジェネラルエリアと呼ばれるようになったようである。ただ、「スルーザグリーン6 インチプレース」を「ジェネラルエリア6 インチプレース」と呼ぶようになったかは定かでない。ちなみに、スルーザグリーンの定義をWikipediaで調べると下記のようである。
コース上の、ティーインググラウンド、ハザード、グリーン以外の区域をスルーザグリーン(Through the Green)と呼ぶ。主に フェアウェイ(芝が短く刈り込まれている区域)とラフ(芝が長い状態の区域)からなる。
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