マネージメントで回避せよ
2番ホールはやや右ドックのなだらかに打ち上げていくホールなのだが、ティーショットは右に飛んでいったため、ラフからの2打目の状況である。さてグリーンの方向はと辺りを見渡すと、前方に2本の木がそびえ立っており、その向こうにグリーンとピンフラッグが見えている。わざわざ見渡すこともなく、ティーショットを打った時点で2本の木が邪魔なのは分かっていたのだが、何はともあれ改めて見渡しているのである。ピンまでは距離にして160ヤード、木の上を超えてグリーンを狙うには木が高すぎる。そこで木の間を狙うか、左のフェアウェイに一旦脱出するか、早朝から非常に悩ましい状況に追い込まれてしまった。ちなみに、グリーン手前は崖となっていて、ゴルフ場としてはOBゾーンと案内されていた。
左に脱出し、3打目でグリーンを狙いパー、あるいはボギーで上がれるだろうか。結構小さいグリーンなので乗せられず4オン2パットのダブルボギーもあり得るかもしれない。一方、2本の木の間を狙うルートでもパー、あるいはボギーでは上がれるのではないだろうか。グリーンに届かすだけであれば150ヤードも打てば十分なのである。たとえ届かなくても失うものはボールと打数だけである。このボールは既にに数ラウンドを経験し、カート道路などに落下し多少の傷も入っているので失っても後悔はない。さらに思う。ここでOBで打数を重ねても、まだ2ホール目であり、残りのホールでもしかすると幸運が訪れないとも限らないなど、早朝ならではの皮算用までしている。そして気持ちを木の間を通すショットに定め、会心の1打を打ったのであった。無論成功するはずもなく、ボールは木に直撃し、左へ大きく弾んで左ラフへ落下していった。OBではなかったのがせめてもの救いであろう。
たとえば、林の中からのトラブルショットで木の間を通してフェアウェイに出すショットは頻繁に実施している為かそこそこの確率で成功するのだが、距離がありグリーンを狙う場合、木の間を通すショットは成功した試しがない。だがいつもこの成功しないショットを選択してしまうのは、学習能力が欠如したお馬鹿さんとの声が聞こえそうなのだが、グリーンやピンが見えている状況では、そちらに打ちたいと思うのはゴルファーの本能ではなかろうか。その本能を理性で抑えるのが大人であると仰られるならば二の句が継げないのでご容赦願いたい。また、木の間を通そうと思うから木に当たるのであって、木を狙って打てば、狙った所には飛ばないので、逆に木に当たらないと言うもっともな説も聞くのだが、その場合は狙った反対側の木に当たるのも日常茶飯事である。私のボールと木とは相当相性が良いようなのである。
このように木の間を通すショットはアトラクションのゲームのようで楽しいのだが、まず成功しないのは分かっている。また失敗したその後の数ホールは切り替えができずメンタルの脆さが露呈してしまう事も分かっている。ならばグリーンを狙わずに横に出すのが正解だということも分かっている。だがどうしても本能には逆らえずグリーンを狙って失敗してしまう事も分かっている。これら過去の経験から思いついた画期的な戦略は、木の間を通すショットが必要になる場所には最初から打たなきゃ良い作戦である。簡単に言うとティーショットは大きく左(or 右)に打つ作戦である。ゴルフにはマネージメントというありがたい用語があるので、逃げではなくコースマネージメントだと言い聞かせれば気持ちよくティーショットも打てるだ。この作戦を実行する上での些細な欠点を上げるとすると、アマチュアゴルファーはその日その日でボールが左右のどちらに飛ぶのか分からない。ましてや早朝の数ホールはその日の出玉の傾向がわからないため、感を頼りにネージメントする必要がある点であろう。たまたま、このホールのティーショットのマネージメントの感が外れてしまったのは非常に遺憾なのだが仕方がない。
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