アプローチはオーバー、パットはショート、それが冬ゴルフ
いよいよ冬到来である。冬場のゴルフは一味違う味を見せる。九州・沖縄など温暖な地方のゴルフ場ではないのかもしれないが、それ以外のゴルフ場ではグリーンが凍ってしまう現象が度々発生するのだ。ゴルフ場も手慣れたもので、夜間の気温低下に備えて、グリーン上にマットを引いて凍結を防ぐ対策を始める季節である。
冬場のラウンド経験のある方は同意して頂けると思うが、凍ったグリーンほど手に負えないものはない。グリーンに直接落下したボールがカンカンと音を立てて弾んでしまい、グリーン上に止まることは期待できない。運が悪ければ、グリーン上で弾んだボールがOBゾーンへ飛び込んでいく場合もある。しからばと、ゴルフの鉄則に従い手前から攻めるのだが、手前においても次にアプローチでカップを狙う場合にボールが弾んでしまい、カップをオーバーしてしまうこと請け合いである。凍ったグリーンはパターの距離感へも影響を与える。凍ったグリーンは摩擦係数が非常に大きいため全く転がらないのである。総じて冬ゴルフとは、アプローチでオーバーし、パットでショートするゴルフとなる。通常のプレーよりも10打前後は多めに叩いてしまう恐れがあるのである。
そんなコンディションであれば冬場はラウンドは諦めてにゴルフ練習場通いに切り替えればよいであろうと良識派の諸先輩方たちは言うであろう。ところがどっこい、冬ゴルフは冬ゴルフでグリーンのコンパクションが高い、ボールが異様に弾む別種の競技と割り切って楽しめるのである。ナイスショットしてしまいボールがグリーン上に落下しそうな場合は、どれくらいグリーンで弾んでしまうかとドキドキして見守るのも緊張感があって面白い、アプローチ時のライン読みもグリーン上で弾む割合を付加して検討するのも面白い。あまりに想定外に弾んでしまうと、笑ってしまったり、悲鳴が上がったりと、なかなか盛り上がるのである。悲喜こもごもの人生劇場がそこにあるのである。
狙ったところに、狙った高さでアプローチできる技量のあるゴルファーであれば、スコアもそれほど崩す事なくラウンドできるかと思うが、大概のゴルファーは冬ゴルフではスコアは落ちてしまうものだ。スコアが悪くなる事を恐れるゴルファーには冬場のゴルフは向かないかもしれないが、狙ったところに、狙った高さでアプローチできない技量を再確認できるのも冬ゴルフの醍醐味かもしれないため、考え方一つで冬ゴルフも楽しめるのである。
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