恐れてはいけない
その悲劇を形容するに見合う言葉が見当たらない。あえて言うのであれば、この世の終わり、世紀末、カタストロフィ、などであろうか。しかしまだまだ言い足りない。それは人間の精神力を根こそもっていく位の破壊力を内包する依存にもかかわらず、ちょくちょくお目見えするというお調子者の一面も持っている。
破壊力だけでならば、この地球上で繁栄を極めた恐竜の栄華を一瞬で終焉させた小惑星の落下の衝撃にも匹敵し、見方を変えると、かめはめ波で満月を消し去る亀仙人の姿とも重なる。
しかも恐ろしい事にその悲劇の根本原因はその本人の技量へと帰着してしまう。それゆえ怒りの矛先は、自ずと内へ内へと向かうのだ。故にそのタメージは永遠と増長されていくのである。あらゆる物質がブラックホールに吸い込まれていくかのようである。
また、その悲劇の目撃者は一様に口をつぐむものである。そして、次の刹那には荒れた海上で僅かな灯台の灯りを探す航海士よろしく、血まなこになって辺りの探索に参加するのである。
その被害者は、いや敢えて言おう、その戦士は、今懸命に戦っているのである。ダメージは計り知れない、後悔という名の悪魔が彼を挫折へと誘っていく。だがそこで立ち止まることは許されない。前に進まなくてはならない。足は動く、腕も動く、目も見えている。今残された体力と精神力をひと所に集中し、前に進むべく行動の準備を進めるその姿は美しくもある。
やがて彼の目に力が蘇る。彼は確かにこの戦いで多くを失った。だが次の戦いで取り返せば良いのである。この戦いを糧に、彼はまた一歩高みへと登っていくことであろう。
決して恐れてはいけないのである、セカンドOBを。
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