止まない雨はない
「雨の日はどうなの?」
それは、自称ゴルフ好きを豪語する伊藤さん(仮名)からのメールでの問いである。
この哲学者的な問いは何を意味しているのだろうか。得てして人間は疲れているときに哲学に走るものである。最近仕事が忙しいそうなのでストレスでも抱えているいるのだろうか。現実逃避で心を癒すのも大切であろう。ここは暖かく対応してあげるのが大人というものだ。
「雨の日はどうなの?」を英訳すると「What do you think about a rainy day?」であろうか。
また、雨を Wikipedia で調べてみると
雨(あめ)とは、大気から水の滴が落下する現象で、降水現象および天気の一種[1][2]。また、落下する水滴そのもの(雨粒)を指すこともある
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
だそうだ。つまり、降水現象について何を思うか問うているのだろうか。いや、”雨の日”とあるからには、降水現象が発生している日について、何を思うのかと問うているのであろう。
特段思うところはないのだが、そんな日は少し物悲しい気もするし、そんな日に窓を開けると入ってくる雨の匂いは嫌いではない。雨音は睡眠導入効果があるとも聞くので、そんな日は心癒すには良い日なのかもしれない。また、コンビニでの傘販売が促進されれいるであろう事や、デパートで紙袋の上にビニールの袋をかぶせている光景など、現実的な想像もしたりする。
そもそも “雨の日” は何かの比喩的例えであるかもしれない。農作物には恵をもたらすものであり、大雨は災害の原因にもなりうる。それゆえ、善悪の二面性を同時に有するものの象徴として捉えているのかもしれない。となると、本音と建前の板挟みになって苦しんでいるのかもしれない。そんなことをつらつら考えていても、一向に気の利いた返事が思いつかない。そこへ周りから声がかかった
「そろそろ後半ホールへ行きましょう」
思考は一旦中断し現実に引き戻された。返信は後回しにすることにする。少し薄日も差してきているので、後半9ホール中には止みそうだ。
伊藤さん(仮名)も家で哲学などしていないで、一緒にラウンドに来ればよかったのに。
そうだ、「止まない雨はない」と返信することにしよう。
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