【ラウンド】チャレンジと無謀

ラウンド

ベテランゴルファーへの道 – ラフで +1打

ゴルフコースのホールは大まかに以下の6つの要素に分類されるのではなかろうか。

  1. ティーイングエリア
  2. フェアウェイ
  3. グリーン
  4. バンカー
  5. ラフ
  6. ペナルティエリア・OBエリア

ペナルティエリア・OBエリアはともかく、この中で最も打球の行方が想定できない場所はラフではなかろうか。ラフとは一体どのような物なのか、Wikipedia に聞いてみた。

フェアウェイが短く刈り込まれた芝で覆われているのに対し、ラフはその名の通り地面が多少荒れていたり、芝の背丈がまちまちになっていたりする。さらに、芝以外の種々の植物が混在していることもある。その結果、ラフにボールを打ち込むと長く転がり続けることなく停止する。
ラフと一口に言っても様々な形態があり、コースの中央部に近いラフならば比較的芝の背丈が整っていたり、傾斜がその前後左右のフェアウェイに沿っていることなど、好条件のものがある。逆にコースの縁に位置するラフは特に急斜面になっていたり背の高い多種の植物が密集して生えていたりしていっそう困難な状態に仕立てられているものがある。

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

要するに打ちにくいのである。
ラフから打ったボールは、右へ飛んだり、左へ飛んだり、飛距離がでなかったり、飛び過ぎたりとゴルファーを惑わす事この上ない。これに地面の傾斜が加わった場合は、さらに難易度があがる。ラフに入った時点で脱出のためのプラス1打を容認できないようではベテランゴルファーの末席に名を連ねる事はできないのである。

その日も暑い日であった。炎天下の野外でボール遊びに興じるゴルファーの様は、ゴルフ否定派の目には狂気の沙汰にも映るであろう。しかし楽しいものは仕方がない。
一方、悲しいかな、楽しいだけではスコアはまとまらないものである。前半9ホールはドタバタであった。この暑さでは仕方がない、寝不足なので仕方がない、出がけに黒猫が横切ったので仕方がないなど、現実逃避モード一直線である。

ところが、後半は8ホールまで +2 で踏ん張っていた。9番ホールでボギー以下であれば、何とかハーフ30台では行けそうだなど、現実逃避モードから皮算用モードへ移行しているのである。やれやれ現金なものである。言わんこっちゃない。9番ホールPAR5のティーショットはひっかけて左の深いラフへまっしぐら。さらに運悪くライはつま先下がり。この最悪の状態であれば、2打目を素直にフェアウェイへ出して、3打目レイアップ、4打目で載せて、2パットのボギーを目指すのが定石であることは間違いない。

しかしここからが素人ゴルファーの面目躍如である。2打目のラフから少しでも距離を出して、あわよくば3打目でグリーンを狙いたいという欲望が湧き起こり、押さえ切れないのである。むんずとミドルアイアンを握り、力一杯スイングするも、結果は 30ヤード先のラフへ再突入である。となればもう暴走は止められない。3打目もミドルアイアンを握り、力一杯スイング、再度 50ヤード先のラフへ突入。さらに4打目もミドルアイアンを握り、力一杯スイング、ようやくフェアウェイへ脱出成功。

5打目でフェアウェイからグリーンを狙うが、すでに体力的にも精神的にもいっぱいいっぱい。グリーンに乗るはずもない。6打目でもざっくり、7打目でようやくグリーンオン。ここで気持ちを落ち着けて、1パットで沈めることに集中するもカップ手前3センチメートルで無情にもボールは止まってしまうのである。9番ホール PAR5で 9打(+4)で撃沈である。

ゴルフのラウンドにおいて、困難な状況に置かれた時の自分の技量とチャレンジのバランスが非常に難しい。技量を少し超えた辺りがチャレンジで、技量を大きく超えたら無謀と呼ばれるのである。チャレンジと無謀を上手に判断してプレーしている人がきっとベテランゴルファーなのであろう。
いつかはラフからの攻略を成功させてベテランゴルファーの末席に名を連ねたいものである。

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